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注目企業・特集2020年4月号掲載

~イグスの製品 & 技術~
ロボット導入から3Dプリントまで多彩なサービスを展開

中小企業のモノづくりを支援する新たな提案
イグス(東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル)

https://www.igus.co.jp/

展示会でのイグスのブース イメージオレンジ色のイグスのブースが
各地の展示会に出展される
潤滑油不要のベアリングや耐摩耗性の高いケーブル保護管など、さまざまな種類の高機能な樹脂製品を生み出して躍進を続けるイグス。最近では、機械部品のメンテナンス時期を自動で検知するスマートプラスチ ックなどを提案し、工場のIoT化や協働ロボット導入にも役立つ製品を数多く展開し、話題を呼んでいる。
また近年、同社では、食品や半導体などのクリーン産業や、電気自動車関連の業界でも活用できる製品やサービスも充実させている。そのため、5月開催予定の「人とくるまのテクノロジー展」(パシフィコ横浜)や、6月開催の「FOOMA JAPAN 2020大阪」(インテックス大阪)、7月の「ロボットテクノロジージャパン2020」(愛知県国際展示場)などへの出展を予定しており、各地の展示会場でイグスのオレンジ色のブースを見ることができそうだ。

ロボット導入をWEBで支援「RBTX」

RBTX イメージ「RBTX」はロボット導入を
支援するウェブサービス
今、そのイグスが注力しているサービスのひとつが、中小企業のロボット導入を支援するウェブサービス「RBTX」だ。これはユーザーがさまざまなロボット周辺機器メーカーとオンラインでつながり合えるプラットフォームである。低コストの協働ロボットを提供する目的で、イグスのほか、アームやハンド、カメラ、モーター、制御装置など、ロボットのさまざまな部材を製造するパートナー企業が参画したコンソーシアムと言える。
イグスでは自社の樹脂製の軸受けや直動部品などを組み合わせて低コストな多関節ロボットやデルタロボットなどを提供しているが、さまざまなロボット周辺機器を製造する企業がお互いの強みを活かして協力することで、より幅広い要望を満たすことが可能となる。
RBTXでは、ロボット導入を検討しているユーザーは、オンライン上でイグスの各種ロボットと互換性のあるパ ートナー企業のパーツを自由に組み合わせ、素早く簡単に目的に沿ったロボットを作ることができる。また、各社が提供する幅広い周辺機器から目的に合ったパーツを選択できるため、ユーザーはそれぞれの工場の環境に適したオリジナルの協働ロボットを制作することも可能だ。
これまでロボット導入の際には、ロボット本体のみならず、駆動部や電気系統、システム制御など、それぞれを専門とする企業との調整が不可欠だったため、中小企業にとってはハードルが高かった。しかし、導入の各パ ートを専門とする企業がオンライン上で一堂に会するRBTXでは、専門各社にまとめて相談できる。RBTXは、ロボット導入を検討する中小企業にとって強い味方となるだろう。

半導体製造装置に必須「eスキンソフト」

eスキンソフト イメージ「eスキンソフト」は
半導体産業に適したケーブル収納
一方、イグスでは半導体産業向けにも新たな製品を生み出している。「eスキンソフト」は、クリーンルーム向けのコンパクトなケーブル収納器具だ。密閉力が非常に優れており、チリやホコリを逃さないため、とくに半導体工場内や半導体製造装置などのケーブル保護に適している。
eスキンソフトは、柔らかな素材でケーブルを覆って保護。上部シェルと下部シェルで構成されるコルゲートパイプ構造をしており、ジッパー方式で簡単に開閉できる。内部にケーブルを収納し、ジッパーを閉めると完全に密閉されるため、ケーブルの摩耗や劣化によって発生するチリやホコリを遮断できる。清浄度ISOクラス1の規格に対応しているため、ハイレベルな塵埃管理が必要な半導体工場でも安心して用いることが可能だ。柔軟に曲げることもでき、設置高さが200mm未満なので、装置間の狭い隙間でも通すことができるというメリットもある。
近年ではAIや5Gを活用する動きに伴い、半導体や集積回路の製造も盛んだ。そうした産業で製品の品質を保つため、eスキンソフトへの関心が非常に高まっている。

3Dプリンタのタイムシェアリングで図面公開不要

3Dプリンタのタイムシェアリングサービス イメージ「3Dプリンタ」のタイムシェアリングサービスで
製品加工が自由に可能
さらに、イグスは中小のモノづくり企業に朗報となる新たなサービスの展開を今秋から予定している。レーザ ー3Dプリンタ装置のタイムシェアリングサービスだ。
これまでも同社では3Dプリンタを使ってユーザーの要望に沿った造形物を提供するサービスを行ってきた。だが、製品の造形を受託するためには図面を預かる必要がある。そのため、ロボットや電気自動車など、最先端機器に関する部品の造形を引き受ける場合、図面の公開に抵抗がある企業が多かったという。そのような課題を払拭し、ユーザー企業が3D造形物をより加工しやすくするため、3Dプリンタ装置のタイムシェアリング開始に踏み切るという。
ユーザーにタイムシェアリングされるのはレーザー3Dプリンタで世界的な実績を誇るドイツのEOS社製の「FORMIGA P110」。レーザーを使用した粉末積層造形法により、試作から最終製品の製造までを可能にする付加製造法を実現する。イグスが3Dプリントの素材として培ってきた「イグリデュール」のパウダーを粉末積層造形の素材として使用できるため、耐摩耗、無潤滑、高荷重、高柔軟、耐熱、耐食など、さまざまなニーズに適した造形物を加工できる。このタイムシェアリングにより、企業は図面を公開することなく、自社で思い通りの積層造形物を作成できるようになる。秋の開始が待ち遠しい、画期的なサービスと言えるだろう。

MEMO
イグス
住所
東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル
URL
https://www.igus.co.jp/
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