製品情報
「新製品情報誌」2018年10月号掲載
資料請求No.11810040a1
- その他
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JIMTOF2018で体感できるイグス新製品を徹底研究
中小企業のイノベーションに役立つ製品が目白押し
- イグス株式会社
- 東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル
ネジや軸受け、ケーブル保護管など、製造業を営む中小企業にとって欠かすことのできない機械要素。それらを高機能樹脂で代替した製品群を提供することで、イグスは樹脂製ならではの付加価値を施してきた。工作機械の寿命を延ばし、部品交換を容易にし、メンテナンスコストを抑えるなど、様々な恩恵を受けた企業も少なくないはずだ。
そのイグスがJIMTOF2018で、従来製品に加え、これまでとは比較にならないレベルで製造業の作業効率化に役立つ新製品を出展する。3Dプリントでの部品加工が容易なプラスチック材料、IoT対応のスマートプラスチック、工場内で人との協業が可能なロボットアームなど、自社工場に導入すれば、作業を抜本改革できる製品ばかり。現状を打破し、イノベーションに役立つとも言える今回の新製品について、同社日本代表の北川邦彦代表取締役に聞いた。■プラスチック素材で試作品を簡単制作
今回のイグスの出展ブースでまず注目して欲しいのが、加工用プラスチック材料だ。「これはイグスが長年の研究で開発した摩擦係数が低く無潤滑で稼働できる高機能工業用樹脂材料です。摩耗性に優れて長寿命なものや、衝撃や荷重に強いもの、粉塵環境に強いもの、耐食性の高いもの、食品衛生試験に合格したもの、高温で使えるもの、電導性を有するものなど、28種類の材質から用途に合ったものを選ぶことができます」と北川氏は製品を紹介する。
プラスチック材料の形は、丸棒状とプレート状の2種類から選ぶことができる。丸棒は100〜1,000mmの中から必要な長さを注文可能で、プレートも用途に応じて厚さや寸法を選択できる。また、3Dプリンターでの立体造形に適したフィラメントやパウダー樹脂も用意。用途に合わせた材料を選んだ上でイグスが素早く加工し、カスタマイズした部品を作成するサービスもある。
「3Dプリンター製金型で射出成形製造サービス『スピーディモールド』のほか、半製品に加工する『スピーディーカット』、オンラインで発注できる『3Dプリンティングサービス』など、用途に合わせて様々な材料や方法を選択できるため、幅広い要望に応えることが可能です」(北川氏)。
また、この加工用プラスチック材料は、試作品づくりの材料として役立つほか、少量多品種に応じた部品製造の材料としても非常に適しているという。
近年、製造業界では製品開発のサイクルが早まっており、企業は試作品づくりのスピードを上げる一方で、試作品そのものの製造コストを下げる努力が必要となっている。
「プラスチック材料であれば、低コストで試作品が開発可能です。加工が簡単で複雑な部品も手軽に成形でき、試作品を作り直す際は再加工も容易です。プラスチックは少量多品種の試作品向けに、最適な材料と言えるでしょう。このようなプラスチック材料を提供することで、日本企業のモノづくりをバックアップできれば幸いです」(北川氏)。■IoT対応で不測のダウンタイムをゼロに
もう一つ、今回の注目サービスがある。IoT対応スマートプラスチックだ。「これは製品の稼働状況や摩耗量などをセンサーで検知し、性能・寿命評価試験に基づいた豊富なデータと照合することにより、製品の寿命やメンテナンス時期を予測するシステムです」(北川氏)。
工作機械や作業ロボットに用いられる可動式ケーブルの保護管やベアリング、リニアガイドなど。それらにセンサーを組み込むことで、リアルタイムに動作状況をモニターし、異常を報告する。それだけでなく、測定した摩耗量をデータベースと比較することで正確な寿命予測を行い、保守計画に沿った交換時期情報を知らせることができる。
「工作機械や作業ロボットは製品製造の要となる重要な機器です。そのベアリングや可動ケーブルは常に負荷が掛かった状態にあり、メンテナンスを怠れば不測のダウンタイムを起こす原因となります。IoT対応スマートプラスチックを活用すれば、このようなダウンタイムを減らせます。企業は不測の損害を避けられるのです。」(北川氏)■低コストで導入できるロボットアーム
もう一つ、今回の目玉となるのがロボリンクだ。これは低コストで多軸ロボットを作成できる組立てユニット。ロボットのデザインをオンラインで構成できるコンフィギュレーターが用意されており、用途に合わせた自由な設計が可能だ。関節部分が無潤滑で可動する樹脂製なのでメンテナンスの手間が省け、ケーブル配線も容易な組み立て式なので価格も1/10ほどに抑えられている。
「簡単に組み立てられて低コストなため、工場への導入がしやすく、複数台を並べて作業させることも可能です。ロボットの導入がしやすくなるため、中小企業でも作業工程のイノベーションが可能になります」と北川氏は語る。* * *
インターネットを通じたグローバルな取引が活発化する中で、製造業に携わる日本の中小企業にも世界的な競争力が求められている。従来通りのやり方だけでは限界があり、生き残るためには、新しい手法を取り入れてイノベーションを図る必要に迫られている。
その点、樹脂によって製品寿命を延ばし、コストを抑えて生産効率を上げることが可能なイグスのサービスは、中小企業にとって導入しやすいものだろう。経営者にとって一口にイノベーションと言っても何から始めればよいのか悩む部分も多いと思うが、手始めにJIMTOF2018のイグス出展ブースに足を運び、製品群を実際に目で見て確かめるところから始めてはいかがだろうか?