注目企業・特集2019年8月号掲載
~三菱電機の製品 & 技術~
JECA FAIRで提案、三菱電機のIoT・e-F@ctoryソリューション
- 省力化と生産性向上に役立つ豊富な製品群を出展
- 三菱電機(東京都千代田区丸の内2-7-3)
多くの来場者で賑わった
JECA FAIR2019の三菱電機ブース
国内最大の電気設備の総合展示会である「JECA FAIR2019 ~第67回 電設工業展~」が、5月22日~24日までの3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された。今年は出展企業数が250社近くに増加。来場者数は10万人を超える規模となった。そのなかで三菱電機は最大級のブースを展開し、製造現場の課題解決に貢献する数々のソリューションを展示した。
三菱電機では、IoT化によるビッグデータの活用でスマート工場を実現する、いわゆるe-F@ctory構想をコンセプトとし、同社が培ってきたFAの技術力と、FAとITをつなぐ連携技術を最大限に活用。あらゆる機器や設備をIoTでつなぎ、データを分析・活用することで、ものづくり全体の最適化を促進している。今回の出展でも同コンセプトに基づいた多彩な配電制御・省エネソリューションを提案。省施工・品質安定・メンテナンス性向上を実現する「低圧遮断器スプリングクランプ端子仕様」や、計測・収集したデータの分析を支援する「EcoAdviser」など、課題解決に役立つ新製品を数多く出展した。
「スプリングクランプ端子仕様」で接続が簡単
低圧遮断器スプリングクランプ
端子仕様。
配線時のネジ締めが不要で
省施工化に貢献する
少子高齢化に伴う労働人口の減少や熟練工不足に伴う技術継承問題など、電設業界においても働き手の確保や作業の効率化が大きな課題となっている。今後、経験の浅い作業者や外国人労働者が、特別な技術を必要とせず、いかに効率的に作業できるかが求められている。
三菱電機では、電線を差し込むだけで接続できるプッシュイン方式を採用したスプリングクランプ端子仕様を開発。ノーヒューズ遮断器(NF32-CVF)、漏電遮断器(NV32-CVF)、サーキットプロテクタ(CP30-BA)など、電線が集まる機械装置や制御盤に多用される低圧配電制御機器向けに、同端子仕様を採用した製品群を提案する。
これらスプリングクランプ端子仕様品は、電線接続がワンアクションで簡単に完了し、配線時のネジ締めやメンテナンス時の増し締めが不要となる。その上、ネジ締め作業のスキルも要らず、振動や衝撃、長期使用による端子ネジ緩みのリスクを排除できる。作業者は電線を一本ずつネジ締めする作業から解放され、結果的により多くの電線を接続できるため、作業時間が大幅に短縮。機械装置や制御盤の省施工化を実現し、メンテナンス性も向上する。
さらに、三菱電機では、フェルール端子のみならず、より線・単線での配線方法にも対応し、更なる工数削減に貢献する。
電力量検針を効率化「M2PMシリーズ」
電子式電力量計「M2PMシリーズ」
(モバイル検針機能)。
誤検針を防止し、
検針業務を効率化できる
一方、電力量の検針についても、三菱電機ではデータをより効率的に取得する新たな提案をしている。
M2PMシリーズは、モバイル検針が可能な電子式電力量計。別売のモバイル用検針モジュールを後付けするだけで、タブレットやスマートフォンなどのモバイル端末からBluetooth®通信によって計量値を取得することが可能となる。電力量計から離れた場所(見通し約10m)でも検針が可能であり、検診結果を選択してワンタッチでデータ送信が完了する。それゆえ、従来の誘導形電力計における検針作業者の負担や労力を軽減し、目視や手入力による読み間違いや入力ミスを防止し、検針時間を大幅に短縮する。
従来の検針では、検針作業者が電力計の目の前まで移動して検針し、電力量計の表示を目視して手動で記録、検針したデータをパソコンへ手入力していた。だが、 M2PMシリーズは、検針対象を選択してワンタッチで検針できるので人為的ミスを大幅に低減。検針数が多くても自動で読み取りが可能なため、データの誤入力や抜け漏れがなく、安定して正確なデータを取得できる。無線通信なので配線の面倒さもなく、低コストで自動検針の導入が可能だ。
省エネデータ分析支援アプリ「EcoAdviser」
省エネデータ分析支援
アプリケーション「EcoAdviser」。
エネルギーの使用を見える化し、
問題点の解析に貢献する
工場内の設備をネットワークでつないでも、データを集めただけでは、稼働状況などを詳細に分析して現場の改善に活かすことは難しい。そこで、三菱電機が提案するのは、「EcoAdviser」という省エネデータ分析支援アプリケーションだ。
EcoAdviserは、収集したデータを元に円グラフやランキング表示など、分かりやすいグラフを簡単な設定で作成でき、使用シーンに応じたさまざまな省エネデータの分析支援を実現するソフトウェアである。エネルギーデータの計測やグラフ表示のみならず、使用比率やばらつき、相関図などを見える化できる。そのため、データだけでは見えにくい変化にも気付きやすく、現場での改善点を気付かせてくれる。ダッシュボード表示機能が装備されており、作成したグラフや図をダッシュボード画面に貼り付けて現場と共有できるため、問題点の把握や原因分析に役立つ。